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公開日:2020/06/24|最終更新日:2020/12/12

医師免許の無いタトゥーは合法 ピアスは違法

ピアスを開ける行為(ピアッシング)は医療行為であり、医師以外が行うと法律違反になります。医師法17条違反です。

ピアススタジオ経営者が逮捕された例はありますが、裁判で争われた記録はありません。

令和2年9月、タトゥー施術は医師法17条に違反しないという最高裁の判決が下りました。タトゥー施術とピアッシングは、ファッション、美容目的で意図的に身体を傷つけるという点で共通しています。

ピアッシングが医師法17条違反するか裁判になった場合、無罪になるでしょうか。

1.医師法17条に書いてあること

医師法17条では、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定めています。

医師とは、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けている人、医師免許を持っている人です。

医師法(昭和23年法律第201号)

1-1.医業とは

医業とは、
「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。」
と厚労省から通知が出ています。

逆に考えると、反復継続する意思がなければ医業ではありません。友達に頼まれてピアッシングするような場合が当てはまります。

医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)(平成17年7月26日)

1-2.違反したときの罰則

違反した場合の罰則は31条に規定されています。「3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはどちらも」

過去の判例を見ると、医師法17条違反について裁判で争われた事例は数件しかなく、そのなかにピアッシング行為によるものは見つかりませんでした。不起訴、もしくは、略式命令で100万円以下の罰金になったのでしょう。

医師の写真

2.弁当屋さんの娘が無理やり鼻ピアス

香川県高松市で、弁当店の店長の娘がアルバイトの女性に無理やり鼻ピアスを開けたとして逮捕されました。

医師免許をもっていない、弁当店の店長の娘によるピアッシング行為です。医師法17条に違反するのでしょうか。

無理やりピアスを開けるのは傷害行為です。医療行為ではありません。

鼻の写真

3.厚生労働省の通知が見つからない

医師法17条には、「医業をしていいのは医師だけです。」と定めていますが、医業の範囲については細かく書かれていません。なので、警視庁などから厚生労働省に対し、「○○の場合は、医師法17条の医業にあたりますか。」という質問が何度かされています。

例えば、昭和38年に「美容目的の整形手術は医行為と解されるか」、という疑義に対し、昭和39年に「医行為と解される」と回答しています。

ピアッシングについても、厚労省が正式に「医師法17条に違反する」と通知を出しているようです。しかし、「厚生労働省法令等データベースサービス」で検索しても出てきません

厚労省に確認したところ、通知は有効なようです。

この文書を引用している論文によると内容は以下のとおり。
件名は「医師法第十七条の疑義について(昭和47年10月3日医事123)」
「耳に穴をあけイヤリングを装着させる行為は、医師法第十七条に違反するか。」という照会に対し、「違反するものと解する。」と回答

医師法第十七条の疑義について(昭和38年12月13日)
消費社会におけるピアスの普及と「うわさ」に関する一考察―ボードリヤールとモランを手がかりに― 書類の写真

4.タトゥー彫師の無罪判決

大阪府のタトゥー彫師が、医師法違反の罪に問われた事案です。

大阪地裁では罰金15万円となりましたが、大阪高裁で無罪判決が出ました。検察が最高裁に上告しましたが、棄却され無罪確定です。

・タトゥー彫師という職業は歴史的な背景を有しており、1840年代頃には社会的に確立したといわれている。
・タトゥー施術を医師以外が行うことを禁止することは、職業選択の自由が制約される。
・タトゥー施術に求められるものはデザインや美的センスで、医療関連性が認められない。

などの理由で地裁の判決は破棄、高裁での上告は棄却され、無罪となりました。

裁判官は、医師法ではなく、新たな法でタトゥー施術に伴う危険を防止すべきと意見を出しています。

裁判例(平成29(う)1117 医師法違反被告事件、 平成30(あ)1790 医師法違反被告事件)

4-1.ピアッシングは無罪になり得るか

ピアススタジオのピアッシングが医師法17条に違反するか裁判になった場合、無罪にはならないでしょう。

・タトゥー彫師と違い、歴史的に職業として確立した過去はない。
・ピアッサーが市販されおり、タトゥー彫師程の専門性がない。
・現状、医師がピアッシングを行っており、医師以外のピアッシングを禁止してもピアス業界が消失する可能性はない。

5.さいごに

タトゥー施術を規制する法が整備される際、ピアッシングについても同様に新たな法での規制となる可能性があります。

『ピアッシング免許』ができる日はそう遠くないかもしれません。

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